ギャラリーがらん日記・61
春の風の中を歩いて渋谷DUOまで。
鈴木慶一・ヘイト船長のLIVEに行ってきました。
TOUR 08 Captain and First Mates
ゲストは曽我部恵一ラヴ航海士。
いつも思うことですが、圧倒的な技術や大音量で包み込まれるLIVE
パフォーマンスもあれば、なんだかよくわからないものにより、
惹きこまれてゆくLIVE もあります。
鈴木慶一さんのLIVEはそのまさに後者。
会場の一番後ろに立って、その秘密はなんであろうか、と考えながら
波音響き渡るヘイト船長とラヴ航海士の船室にいたわけです。
でまぁ、ははーん、と。
それは、「声」なのだな。そのようにひとり合点していました。
亡くなった高田渡さんもそうでしたが、
基本として、歌。・・・つまりその声に
惹かれてなにかどこかへ連れて行かれてしまうんですね。
気がついてみれば、そこは小さな船室で、しかも外は暗い東京湾。
ちかちかと羽田の灯り。ぼんやりと浮かぶ、がらんとした港。
見えるのは自動販売機の光と、
その遠くにおぼろげな「おばけえんとつ」のシルエット。
飛行機が頭上を通過するたび、船室は揺れて、
時につぶやくように、時に叫ぶように、
船長は少し調子はずれの歌を歌う・・・。
今回は航海の相方もいて、
その旅人船乗りはなかなかにイマドキの喉を
響かせて、都会の満月を見上げている。
彼らはオイルくさい海から、未だ知らない宇宙へと舵を取るのでした。
もちろん、素晴らしいセンスの上に成立してる、新昭和なROCK.
なぜ、新昭和かというと、会場ではアナログ盤、
それもモノラルレコードなんていうものを売ってましたからね。
「声」に惹きこまれる日本のロックについての一考察でした。
それにしても、いい声ってのは、つくづく得ですね。
いい季節にいい声、いい夜風。
桜はまだ頑張っていて、ここ数日は
花を風に散らしながら咲き続けております西荻窪。
「春」はどこかの歌声にのって路地裏にも届いています。
ギャラリーがらんの「よりどりみどり」は7日まで。
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