ギャラリーがらん日記・63
この頃の、こらえ性のないような殴りつける雨の中、
傘さして行ってきました大丸ミュージアム
■「写真」とはなにか・20世紀の巨匠たち■
社会派アート派おりまぜての14人スーパースター展、
当然14人ですからそれぞれの「一部展」ですが、一部オムニバス
とはいえこれらと一気に向かい合うには
それ相応の体力が要ります。仕事途中ということもあり
120枚に集中して一時間半、・・外は嵐。
まぁ、空いている時間を狙ったんだけど、疲れました。
こちらはノーテーマという態度しかないですねこういう時。
会場に入ると、いきなり社会派ルイスハインの少年労働者シリーズ
ときて次がマンレイのシュールレアリズムはマルセルデュシャン像、
で振り返るとその壁にW ユージンスミスの戦場の赤ん坊、
アンドレケルテスの、パリで婦人の肩に手が見えて
あっ、隣りで崩れ落ちるスペイン兵はキャパ・・・ってかんじ。
大変ですもう。足もむくみました。写真圧の極めて強い写真と
向かい合うのはつくづく鍛えられます。疲れちゃった。
仕事の打ち合わせを終えると、また傘さして、今度は
新宿全労災ホール・スペースゼロにて演劇「出番を待ちながら」。
ノエル・カワードの英国戯作の原題はWAITING IN THE WINGS、
引退した身寄りの無い女優のための慈善ホームでのお話。
かつて栄華を極めたスター女優の、その人生の黄昏を描いた
作品。この翻訳劇は2006年の再演です。
その時は俳優座に二回足を運びました。
WINGSとは、舞台裏、という意味があるそうです。
高齢の女優たちがそのまさに年老いた女優を演じる、という
お芝居。「演じているつもり俳優」が氾濫してしまった昨今、
ここにあるその演じるキレの良さは、たとえようもなく
気持ちのいいものです。
役者が生み出す痛快っていうのは、こういうものなんだ
って思う舞台。それも、
できることなら人に見られたくはない境遇を題材に、
屈辱や運命を笑い飛ばして生きる、あるいは死んでゆく
人生の演技者たち。こういった舞台がどこかココロにひりひりと
染み入ってくる時間は貴重なものがあります。
上手くは言えませんが、何かのチカラに励まされて劇場を出ると、
相変わらずの殴りつける風雨に、
エイヤと勢い良くおんぼろ傘を開いた自分がそこにいたわけです。
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