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2008年4月

2008年4月26日 (土)

ギャラリーがらん日記・64

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http://www.gallery-garan.com/

西荻の街もすっかり春の匂いに満ちて、

ちらほら紋白蝶やアゲハも見かけるようになりました。

そんなある朝、湯河原の懇意にしている旅館「藤田屋」さんから

どっさり掘りたてのタケノコが届きました。

というわけで早速糠と鷹の爪で灰汁抜き。そのなんともよい香り・・。

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タケノコごはんはやり方もいろいろあると思うのですが、まずは

茶飯に入れて炊くのが香りも春らしくていいかなぁと。茶飯、筍ときて

すぐさま連想したのが「田毎」のたけのこ。あー食べたい・・。

おでん屋「田毎」さんはもうすごく長いお付き合い。

西荻南中央通り商店街を駅から五日市街道の方へ歩いていった

右側に大きな提灯が出ています。

以前は一筋荻窪寄りの、神明通り近くにありました。

銀座お多幸暖簾分け、法被姿の頑固親父がそこにいて、

その様があまりにも絵になっているんで

写真を撮らせてもらいました。

田毎はなんと言いますか、本当におでん屋さんらしいおでん屋さん。

今は亡くなられたご主人の後を

奥様が引き継がれ暖簾を守っておられます。

がらんオーナーはご主人の頃からのお付き合い。

独断的ですが、春おでんは、筍、とうふ、はんぺん、つぶ・・。

でも田毎さんに行ったら、なにはともあれ、とうふ、大根、たまご。

「おでんはさ、他人(ヒト)からダシをもらう方がうまいんだ」

いいこと言うなぁこのおっさん。そう思ったんです。

もう十年以上前のこと・・・。

人生の大先輩、先代早瀬さんの言葉が今も忘れられません。

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先日は春の強い風の中、行ってきました新宿は

コニカミノルタプラザ、

「第33回木村伊兵衛写真賞展」

岡田敦さん「I am」 と志賀理江子さん「Lilly」 「CANARY」

大きな写真の連貼りは圧倒的に迫力があります。

向かい合わないわけにいかない。

そこには、写真特有の「ひょっとしたら見せてはいけないもの」を

鮮やかに見せつける覚悟のようなものが渦巻いています。

評論には、心の闇を全く別のアプローチで描いたふたつの受賞、

とありました。

岡田さんは白ホリに立たせた若い女性の正面アップショット、

リストカットの傷跡が残るかぼそい腕、細いはだか。

志賀さんはロンドン公営団地の人々を撮り、

更にそのプリントに独自の技巧を加えさら撮る内省的演出。

ちょっと霊的なものや超常現象を連想させます。

生と死のまなざし。

そこが2者の共通するテーマ性なのかもしれません。

ただ、ここに展示された写真がすごいな、と思ったのは

こちら側はこの大きな写真と向かい合おうとしているのに、

写し出された向こう側の彼女は、

ひょっとしたら、こちらを見ているようで

実は何も見ていないのじゃないか、という気にさせられたことです。

何も見ていない目。だから、闇?そのあたりは憶測にすぎませんが

赤裸々に向かい合うことができたのは写真家の力です。

ともあれ、これほどまでに「向かい合うこと」の意味=シャシン、

について考える機会を与えてくれた貴重な展示。

28日までやってます。

ところで、がらん、スケジュール・ページ、リニューアルしました。

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2008年4月19日 (土)

ギャラリーがらん日記・63

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http://www.gallery-garan.com/

この頃の、こらえ性のないような殴りつける雨の中、

傘さして行ってきました大丸ミュージアム

■「写真」とはなにか・20世紀の巨匠たち■

社会派アート派おりまぜての14人スーパースター展、

当然14人ですからそれぞれの「一部展」ですが、一部オムニバス

とはいえこれらと一気に向かい合うには

それ相応の体力が要ります。仕事途中ということもあり

120枚に集中して一時間半、・・外は嵐。

まぁ、空いている時間を狙ったんだけど、疲れました。

こちらはノーテーマという態度しかないですねこういう時。

会場に入ると、いきなり社会派ルイスハインの少年労働者シリーズ

ときて次がマンレイのシュールレアリズムはマルセルデュシャン像、

で振り返るとその壁にW ユージンスミスの戦場の赤ん坊、

アンドレケルテスの、パリで婦人の肩に手が見えて

あっ、隣りで崩れ落ちるスペイン兵はキャパ・・・ってかんじ。

大変ですもう。足もむくみました。写真圧の極めて強い写真と

向かい合うのはつくづく鍛えられます。疲れちゃった。

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仕事の打ち合わせを終えると、また傘さして、今度は

新宿全労災ホール・スペースゼロにて演劇「出番を待ちながら」。

ノエル・カワードの英国戯作の原題はWAITING IN THE WINGS、

引退した身寄りの無い女優のための慈善ホームでのお話。

かつて栄華を極めたスター女優の、その人生の黄昏を描いた

作品。この翻訳劇は2006年の再演です。

その時は俳優座に二回足を運びました。

WINGSとは、舞台裏、という意味があるそうです。

高齢の女優たちがそのまさに年老いた女優を演じる、という

お芝居。「演じているつもり俳優」が氾濫してしまった昨今、

ここにあるその演じるキレの良さは、たとえようもなく

気持ちのいいものです。

役者が生み出す痛快っていうのは、こういうものなんだ

って思う舞台。それも、

できることなら人に見られたくはない境遇を題材に、

屈辱や運命を笑い飛ばして生きる、あるいは死んでゆく

人生の演技者たち。こういった舞台がどこかココロにひりひりと

染み入ってくる時間は貴重なものがあります。

上手くは言えませんが、何かのチカラに励まされて劇場を出ると、

相変わらずの殴りつける風雨に、

エイヤと勢い良くおんぼろ傘を開いた自分がそこにいたわけです。

http://www1.odn.ne.jp/kiyama-co/

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2008年4月11日 (金)

ギャラリーがらん日記・62

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http://www.gallery-garan.com/

先日のがらん「YORIDORI MIDORI」展にイラストレーターの

時川真一さんがぶらっと来てくれました。そこでいろいろと話し合って、

この8月の終わりにがらんにて時川真一イラスト原画+α展を

開くことが決定しました。

タイトルは「西荻ラブ画報(仮題)」

西荻在住のアーティストはこれが初めての展示となります。

ちなみに5月のがらんは九州骨董・絵画・民族仮面・神像展(高見乾司氏)、

7月には2007年小学館「おひさま」コンペ絵本部門優秀賞作

今田まり氏絵本原画+α展などが控えております。どうぞ、お楽しみに。

            ・

            ・

時川さんのブログ「トキシンのイラストレーター的生活」は、

しょっちゅう拝見させていただいております。ペンや鉛筆とマーカーで

ささっと描かれた味のあるイラストもさることながら、

とにもかくにもそのマメな更新に感心させられてばかりです。

その上、「トキシン」のスゴイところは、毎日奥さんにまで

お弁当を作っちゃったりするところ。これはなかなか出来ない。

その上その上その写真が時々ブログに載っちゃったりしている!

さりげないけどちょっと旨そうに見える!!

かく言うこのがらんオーナーも独断我流料理を日常のツトメと

していますが、時川さんには到底及ばない。

できるだけ毎日台所には立つけど弁当までは・・・

「すごいよなぁ」と嘆息の漏れるブログはこちら。

http://tokishin.exblog.jp/

たしかに料理は「おいしい、おいしい」と食べてくれる

家族がいたりするとついついやっちゃうもの。

ましてや、結婚したての時川さんはそれでなくてもの料理好きが

「ついつい」ターボ入っちゃうのかもしれません。

さわらのカマ焼きでしたっけ。うちにもつくりに来ていただきたいものです。

ここ数日は自分の仕事のプロモートと

http://kyoukenbob.exblog.jp/

(よろしかったらこちらのブログもご覧ください)、

JAZZやROCKのインビテーション・LIVEやらと

ちょっと家での料理にバテ気味でした。トキシン・ブログを参考に、

また、かの著作「自炊ご飯はじめてBOOK」などめくりつつ、日々これ精進です。

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2008年4月 5日 (土)

ギャラリーがらん日記・61

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http://www.gallery-garan.com/

春の風の中を歩いて渋谷DUOまで。

鈴木慶一・ヘイト船長のLIVEに行ってきました。

TOUR 08  Captain and  First  Mates 

ゲストは曽我部恵一ラヴ航海士。

いつも思うことですが、圧倒的な技術や大音量で包み込まれるLIVE

パフォーマンスもあれば、なんだかよくわからないものにより、

惹きこまれてゆくLIVE もあります。

鈴木慶一さんのLIVEはそのまさに後者。

会場の一番後ろに立って、その秘密はなんであろうか、と考えながら

波音響き渡るヘイト船長とラヴ航海士の船室にいたわけです。

でまぁ、ははーん、と。

それは、「声」なのだな。そのようにひとり合点していました。

亡くなった高田渡さんもそうでしたが、

基本として、歌。・・・つまりその声に

惹かれてなにかどこかへ連れて行かれてしまうんですね。

気がついてみれば、そこは小さな船室で、しかも外は暗い東京湾。

ちかちかと羽田の灯り。ぼんやりと浮かぶ、がらんとした港。

見えるのは自動販売機の光と、

その遠くにおぼろげな「おばけえんとつ」のシルエット。

飛行機が頭上を通過するたび、船室は揺れて、

時につぶやくように、時に叫ぶように、

船長は少し調子はずれの歌を歌う・・・。

今回は航海の相方もいて、

その旅人船乗りはなかなかにイマドキの喉を

響かせて、都会の満月を見上げている。

彼らはオイルくさい海から、未だ知らない宇宙へと舵を取るのでした。

もちろん、素晴らしいセンスの上に成立してる、新昭和なROCK.

なぜ、新昭和かというと、会場ではアナログ盤、

それもモノラルレコードなんていうものを売ってましたからね。

「声」に惹きこまれる日本のロックについての一考察でした。

それにしても、いい声ってのは、つくづく得ですね。

いい季節にいい声、いい夜風。

桜はまだ頑張っていて、ここ数日は

花を風に散らしながら咲き続けております西荻窪。

「春」はどこかの歌声にのって路地裏にも届いています。

ギャラリーがらんの「よりどりみどり」は7日まで。

耳をすませば美大5人組の鼻歌とリコーダーが聴こえてきますよ。Img_0205 Img_0229 Img_0259_3 Img_0319 Img_0095 Ccf20080404_00001 Ccf20080404_00002  

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2008年4月 2日 (水)

ギャラリーがらん日記・60

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http://www.gallery-garan.com/

がらんではfrom兵庫の美大生5人衆「よりどりみどり」始まりました。

立体オブジェ・テキスタイル・椅子・イラスト・写真・アニメなど、

5つの個性が西荻の路地裏に集まりました。

普段はムサ美タマ美女子美に通う5人が、

がらんというスペースを利用して、

「それぞれの内面にあるもの」を実際のカタチにしています。

その一部をこのブログ上で紹介しますが、

やっぱり実際に見て、覗きまわして、感じて、座って下さい。

変わったカタチとそこに潜んだカンガエがあなたを優しく迎えて

くれることでしょう。そのとき5人のアートなハートがちらっと

垣間見えるかもしれません。

西荻も昨日の強い風の中、桜がざわざわと揺れて一気に

桜吹雪の様相か、と思いきやしっかり持ちこたえて満開まさに

見ごろの春の空。

しばらくは天気も大きく崩れることも無いみたいですから

ぶらぶらと花見散歩がてら、GARAN半地下にお越しください。

ケータイストラップも売ってます!Img_0242 Img_0303 Img_0312

先週は銀座はプランタンのギャルリィ・ドゥ・プランタンに

「大西信之展」お邪魔しました。

大西さんは水墨画調リトグラフ摩天楼画で有名な画家ですが

今回はなんと白グレー黒のリキテクスによる摩天楼キャンバス画。

とにかくニューヨーク、シアトル、九段下の街並みを

「モノトーン」で描ききっています。

動かぬ建造物と、一時として同じ形を呈さない空、そのコントラストを

モノクロームという中で表現した、かなりユニークな展示でした。

「毎日絵ばかり描いている」

パワフルな大西画伯に、オーラあやかりたく、しばし雑談。

その前に伺ったギャラリーMAYA「平澤一平・おいしい!」展でも

パワー、戴きました。平澤さんありがとう。

詳しくはこちらのブログで。

http://kyoukenbob.exblog.jp/

今後はGARANからも皆様に

パワーをお届けしたく思います!

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