ギャラリーがらん日記・49
武蔵野市立吉祥寺美術館で、「土門拳写真展・日本のこころ」を
観てきました。この会場では、土門拳の写真はもちろん、
その写真についての文章も、同時に紹介されました。
写真はもとより、その土門自身の文章がすごく面白いですね。
これほどまでに作家の人間性がつまびらかとなる展示も
珍しかったのではないかと思います。
個人的には、廃坑直後の筑豊を撮ったものが好きです。
小学校の弁当の時間を撮った「弁当を持ってこない子供」
「ボタを拾う子」。どれもこれも、瞬時で心臓をつかまれる。
どうやって撮ったのかと、素朴に思う。
そしてそこにある土門の文章が、その一枚の写真を
観た次の瞬間に、一篇の物語にしてしまう。
ドキュメンタリーというのとは違うのですね。
たったひとつの瞬間を止めて物語にする技というべきか、
で、まあ心は確実にえぐられているんです。
酒田市にある土門拳美術館より運ばれた今回の写真ですが、
いつかある日見たものばかりで、どこか懐かしく、
さまざまな想いも心にかけめぐりました。
子供シリーズのベタ焼きもよかったです。
最後は、仏像作品をじっくり観て心を落ち着かせ、
伊勢丹から歩いて、絵本のトムズボックスへ。
ここではいま、伊藤秀男展「台湾火車の旅」を開催中。
いつもの飄々たるイトー画風に、
伊藤さんがお元気であることを確信し
ゆっくり眺めて、それから帰路ににつきました。
さて、この週末池袋はオレンジギャラリーまで出向いて、
「東京六大学写真展」にもお邪魔。
結構忙しい、バレンタインウィークです。
伊藤秀男展は29日(金)まで。六大学展は19日(火)まで。
そうそう、がらんも21日(木)より東京外国語大学写真部卒展が
はじまります。ひょっとした意外なところで、あなたのこころを
ちょこっとえぐるワンショット…。
西荻のどこかに隠れているかもしれませんね。
| 固定リンク
「大学写真部 展示」カテゴリの記事
- ギャラリーがらん日記 267(2016.03.10)
- ギャラリーがらん日記 266(2016.03.04)
- ギャラリーがらん日記 239(2014.10.08)
- ギャラリーがらん日記 226(2014.03.13)
- ギャラリーがらん日記 225(2014.03.02)
「西荻風景」カテゴリの記事
- ギャラリーがらん日記 364(2023.02.22)
- ギャラリーがらん日記 363(2023.01.28)
- ギャラリーがらん日記 362(2022.12.08)
- ギャラリーがらん日記 361(2022.11.24)
- ギャラリーがらん日記 360(2022.11.18)
「アート」カテゴリの記事
- ギャラリーがらん日記 364(2023.02.22)
- ギャラリーがらん日記 363(2023.01.28)
- ギャラリーがらん日記 362(2022.12.08)
- ギャラリーがらん日記 361(2022.11.24)
- ギャラリーがらん日記 359(2022.10.16)
コメント